卒業シーズンに、進路が決まらない子どもたち 江東区議会議員 そのべ典子
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2005 年 3 月 24 日     カテゴリ:子ども、教育
卒業シーズンに、進路が決まらない子どもたち
〜義務教育、教育を受ける権利、本当の「学力」って何でしょうか〜
 いま、新聞等で「ニート」(*)が問題になっています。
聞きなれない「ニート」、職業にもつかず進学もしない若者を指しています(職業にも就けず進学もできないが正しいのかもしれません)。
 つい先日、この「ニート」を今流行っている言葉としてではなく現実味を帯びて感じる機会がありました。それは、保護者会。卒業した3年生の進路の報告があり、私立や都立高校、専門学校への進学以外、残りは就職希望だが2人しか決まっていない・・・、6人が未だに就職先が見つかっていないとのこと。進路指導の先生の話によると、ハローワークに通い、就職先を探しても、そもそも中卒の募集がない。先生は中卒の募集をしていない事業者を回り、何とか試験だけは受けさせてもらったが、採用してもらえなかった・・・。景気は少しは回復してきたと言うものの、中小の事業者には中学校を卒業したばかり15歳16歳(自分の子どもを見るととても社会で通用するとは思えない)を採用し育てていくキャパはないのでしょう。何とか進路を決めてやりたいと言う先生の言葉を聞きながら、胸の締め付けられるような思いをしました。
 保護者会の翌日の朝日新聞(3/23)。「貧困の連鎖どう防ぐ。生活保護、高校学費に支給」と言う記事がありました。親に経済力がないために子どもの教育の機会が失われ貧しさが引き継がれる「貧困の連鎖」を防ぐための見直しとあります。記事の中で、江戸川区での「江戸川中3勉強会」が紹介されています。この会(18年も続いている)では、生活保護の家庭の子どもたちを高校に進学させるために、福祉事務所のケースワーカーや大学生がボランティアで教えています。九九が言えない、住所の漢字が書けない子どもたち。「がんばろうとしてもがんばれない環境もあるのだとわかった」(ボランティアの大学生の言葉)。またずいぶん前から、東大(もちろん国立)合格率が親の収入に正比例している(小さいときから塾や家庭教師など受験勉強にお金がかけられる)といわれ、その状況はますます加速しています。日本は階層社会に向かって進んでいるのでしょうか。
 中学校は義務教育、教育を受ける権利は子どもたちにあります。でも、いま問題になっている「学力」(知識だけではない、学ぶ意欲、生きていく力・・・)を、本当に義務教育の中で身に付けることができているのでしょうか。OECDの学力調査で順位が下がった・・・さあ大変「ゆとり教育はやめて学力向上、5日制見直し・・・」これはおかしい。OECDの調査の主旨を正しく把握するべきです。総合1位だったフィンランドの教育は総合教育です。指導要領もありません。
 まだ進路の決まっていない子どもだけではなく、高校に進学してもやめてしまう(やめざるをえない)子、いわゆるフリーターとして職業を転々としている(せざるをえない)子。江東区にもたくさんいるはずです。子どもが1人の個人として尊重され、必要な支援を受け、納税の義務を果たせる大人に育っていくための教育、本当の「学力」を身につけるための教育の機会をつくるのは社会の果たすべき役割のはず。そのために何が必要なのか、江戸川の取り組みのように、足元から考え、できることからやっていくことが、今必要なのではないでしょうか。私たちは大きな課題を投げかけられています。
*ニート(NEET)=Not Employment(雇用) Education(教育) Training(訓練)




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